転職編2を書いてから、放置したことも忘れていたわけだけど、また体調が実際に悪くなったこともあり、もう一度書いてみる。働き始めてから半年が過ぎたこと、日本へ一度帰る機会があったことから、タイミング的にはとてもいいタイミングだと思われる。忘れるべきじゃないことを忘れてたり、勘違いしがちな状況で、考えをまとめる、という作業は実に有用な気がする。物忘れがひどくなりつつある最近は特に。
まず、転職を決めたときのことを思い出してみる。
英語
オーストラリアに来たのは偶然の産物であるが、そもそも「海外」(この場合、ニアイコール英語)に興味を持った理由は、圧倒的な劣等感(これが、前述したプロムにおける劣等感なのか、多くの日本人がそもそも持つと僕が勝手に思っている「白人」「英語」「アメリカ人」に対する劣等感なのかはわかりませんが)です。当時そこまで言語化できていたかわからないけど。
会計事務所時代は、働き始めた背景を考えれば当然のごとく、特に後半は日系のお客さんの仕事を多くやらせてもらっていました。給料をもらっている以上、教育機関ではないわけで、自分がどういう価値を提供できるか、という点で考えても至極当然です。お客さんにも恵まれ、文化がクロスする中間点で、職務内容についても文化・言語の橋渡しと専門分野の仕事の両方をさせてもらっていました。ただし、一点ずっと気になっていたのは、この仕事を自分の意思で「選んだ」わけではない、という意識、つまり「決意」の欠如です。
好き・嫌い・いい仕事・つまらない仕事、という軸ではなく、自分で選んだことかどうか、という軸の問題です。この軸は、自分が他の場所でも働くことができるか、ということをまず証明した上でようやく振り返ることができる軸だと常々感じていました。ただ、今の状態を抜ける自信も特にない。
ちなみに、大手会計事務所のパートナーになっていく、というキャリアもありますが(そしてそんなに簡単なことではない)、自分がそのキャリアパスに乗るには、上でも記した「決意」が必要になることは間違いなく、その中で「選ぶ」ということができない限り、決意を持つことはできないと感じていました。
というわけで、今の会社からオファーをもらったときは素直にすごく嬉しかったです。自分は選択することができるんだ、と。ここで自分は日本人としてではなくて、一個人として、その国で優秀な人が多くいる組織で成功できるようにがんばって、自信ができたらその後のことはその時考えよう、と思っています。ちなみに、これは、面接でも言ったことです。
ユニークなのはどちらだ?
これも、いいか悪いかは別として、常に僕の中で持っている軸です。友人の中で自分のことをどうやって差別化していくか、という点。
このくらいの年齢になると、高校生までリニアな関係であった(もしくはそう信じていた)上下関係(成功・失敗)がかなり多様化してきます。つまり、例えば東大理科3類に現役で入った人は、そうじゃない人よりもより優秀である、というような単純な軸はもうない。これに入れ替わるのは収入かもしれないし、社会に対するインパクトかもしれない。有名かどうかということかもしれないし、家族が団欒できる生活をしていることかもしれない。美人な彼女が何人もいることかもしれないし、一般的にリスペクトされる職種についていることかもしれない。
同じような軸で僕が常に考えてしまうのは、高校の友人の中で、自分はユニークな存在でいることができているか、です。結論から言うと、日本人の会計士は意外と海外には多い。特にアメリカは大量の日本人部隊がいると聞きます。パートナークラスにまでなれば「ユニーク」ではあると思いましたが、上述通り、違う理由でそのキャリアパスは少なくとも現段階ではないと思っていたので、今の仕事のほうがユニーク度が高い、と判断しました。
その他
給与・職種も副次的な要因ではありました。それなりに給与もあがって、以前から会計事務所内でも希望していた税務チームに入れるということです。でも、やはり振り返ってみれば主たる理由ではなかったと思います。
Saturday, 20 October 2012
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